事業用賃貸でよくある契約トラブル5選|店舗・オフィスを契約する前に確認すべきこと
2026/08/13
店舗やオフィスを借りる際、
「物件も気に入ったし、賃料も予算内だから契約しよう」
と、物件そのものに目が向きがちです。
しかし、事業用賃貸で本当に注意したいのは契約後です。
「退去時に想像以上の原状回復費用がかかった」
「設備が故障したのに借主負担と言われた」
「予定していた工事ができなかった」
といったトラブルが発生することがあります。
居住用賃貸と事業用賃貸では契約内容や考え方が異なる部分も多いため、契約書や重要事項説明書を十分に確認することが重要です。
今回は、不動産会社の立場から、事業用賃貸で起こりやすい契約トラブル5選と、契約前に確認しておきたいポイントを解説します。
トラブル① 原状回復の範囲を理解していなかった
事業用賃貸で特に注意したいのが原状回復です。
店舗の場合、借主様が内装工事を行い、
・床
・壁
・天井
・間仕切り
・照明
・厨房設備
・給排水設備
などを設置することがあります。
退去時には、これらを撤去してスケルトン状態まで戻すことを契約条件としている物件もあります。
例えば、居抜きで借りた店舗であっても、
「居抜きで借りたのだから、そのまま返せる」
とは限りません。
前テナントから引き継いだ設備まで含めて撤去しなければならない契約もあります。
契約前に確認すること
「原状」とはどの状態なのかを明確にしておきましょう。
特に店舗では、
スケルトン返しなのか、現状回復なのか、造作を残して退去できる可能性があるのか
を契約前に確認することが重要です。
トラブル② 設備が故障したら借主負担だった
エアコンが付いている店舗を見て、
「エアコン付きの物件だから交換費用は貸主負担」
と思ってしまうことがあります。
しかし、必ずしもそうではありません。
事業用物件では、室内にある設備が貸主の「設備」ではなく残置物として扱われているケースがあります。
残置物の場合、故障した際の修理や交換、撤去を借主側で行う契約となっていることがあります。
業務用エアコンなどは交換すると大きな費用になる可能性があります。
契約前に確認すること
室内にある
・エアコン
・給湯器
・照明
・厨房設備
・トイレ
・換気設備
などについて、
貸主設備なのか、残置物なのか
を確認しましょう。
設備表がある場合は契約前に内容を確認することをおすすめします。
トラブル③ 途中で解約できると思っていた
店舗・オフィスでは**定期建物賃貸借契約(定期借家契約)**が使われることがあります。
例えば「定期借家契約5年」で契約した場合、
「5年契約でも途中で解約すればいい」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、契約内容によっては借主から自由に中途解約できるとは限りません。
また、普通借家契約でも、
「解約予告6か月前」
など、居住用賃貸より長い解約予告期間が設定されていることがあります。
移転を決めてから解約通知を出したところ、旧店舗・旧事務所と新しい物件の賃料を数か月間二重に支払うことになるケースも考えられます。
■契約前に確認すること
・普通借家か定期借家か
・契約期間
・中途解約が可能か
・解約予告期間
・違約金の有無
・更新または再契約の条件
を確認しましょう。
トラブル④ 希望する業種・営業時間で営業できなかった
「店舗募集」と書いてあるから、どんな店舗でも営業できる。
というわけではありません。
貸主様や建物によって、
・重飲食不可
・深夜営業不可
・カラオケ不可
・臭気の強い業種不可
・同業種不可
などの条件が設定されている場合があります。
また、貸主様が承諾していても、建物の設備や法令上の条件などによって予定していた営業が難しくなるケースも考えられます。
契約前に確認すること
「飲食店です」と伝えるだけではなく、
具体的な営業内容を不動産会社へ伝えることが重要です。
例えば、
・どのような料理を提供するのか
・営業時間
・酒類の提供
・煙や臭気の程度
・必要な厨房設備
・看板の設置方法
などです。
できるだけ具体的に伝えることで、契約後の認識違いを防ぎやすくなります。
トラブル⑤ 契約後に予定していた内装工事ができなかった
店舗物件では非常に重要なポイントです。
物件を契約してから内装会社に現地を見てもらったところ、
「希望する厨房レイアウトが難しい」
「電気容量が足りない」
「ダクトを設置できない」
「看板を予定していた場所に設置できない」
などが判明するケースがあります。
すでに契約してしまっていれば、簡単に物件を変更することはできません。
契約前に確認すること
内装工事が必要な物件では、可能であれば契約前に内装会社や施工会社にも現地を確認してもらうことをおすすめします。
特に、
・電気容量
・給排水
・ガス
・換気・排気
・空調
・ダクト経路
・看板
・搬入経路
などは重要です。
店舗の場合は、不動産と内装工事を別々に考えるのではなく、「この物件で予定している営業ができるか」まで確認してから契約することが大切です。
契約書は「家賃と契約期間」だけを見ない
事業用賃貸の契約書には、非常に重要な内容が記載されています。
特に確認したいのは、
・賃料、共益費
・敷金、保証金
・償却
・更新料、再契約料
・契約期間
・中途解約
・違約金
・修繕負担
・原状回復
・禁止事項
・特約事項
などです。
契約書の中でも特に注意したいのが特約事項です。
物件ごとの条件が記載されていることがありますので、分からない内容があれば契約前に不動産会社へ確認しましょう。
「分からないけれど、とりあえず契約」は避けましょう
人気物件の場合、
「早く契約しないと他の人に取られてしまう」
と焦ってしまうことがあります。
もちろん、店舗・オフィス探しではスピードも重要です。
しかし、
申込みを急ぐことと、契約内容を確認せず契約することは別です。
申込段階から契約条件や設備について確認し、疑問点を整理しながら契約へ進むことをおすすめします。
不動産会社には契約前から相談しましょう
事業用賃貸では、
「契約できる物件」と「安心して事業を始められる物件」は必ずしも同じではありません。
賃料や立地だけでなく、
・契約条件
・設備
・内装工事
・開業スケジュール
・退去時の条件
まで考えて物件を選ぶことが重要です。
特に店舗の場合は、契約後に内装工事や設備工事が発生するため、建物についての確認も欠かせません。
レジスタ合同会社では、不動産仲介だけでなく建築・内装工事にも携わってきた経験を活かし、物件選びから開業準備までサポートしております。
まとめ|契約前の確認がトラブル防止につながります
事業用賃貸では、契約後に「知らなかった」では済まないことがあります。
今回ご紹介した代表的なトラブルは、
1.原状回復の範囲
2.設備・残置物の修繕負担
3.中途解約・解約予告
4.業種・営業時間などの使用制限
5.内装・設備工事の制限
です。
どれも契約前に確認しておくことが重要な項目です。
店舗・オフィスを探す際には、「借りられるか」だけではなく、契約後から退去までを想定して物件を確認することをおすすめします。
レジスタ合同会社では、東京都中央区をはじめ東京23区の店舗・オフィス探しをサポートしております。
「この契約条件で大丈夫?」
「この物件で予定している店舗を開業できる?」
「内装工事まで考えると、この物件で問題ない?」
といった段階からでもお気軽にご相談ください。
店舗・オフィスの物件探しから契約、内装・設備に関するご相談まで、事業用不動産の実務経験を活かしてサポートいたします。
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