外国人材を採用する前に確認したい助成金|知らずに準備を進めると対象外になることも?
2026/09/16
外国人技能実習生や特定技能外国人などを初めて採用することになった企業様では、入社・入国までにさまざまな準備が必要になります。
「在留資格の手続きを進めなければ」
「社宅を探さなければ」
「家具・家電も準備しないといけない」
「就業規則や雇用契約書はこのままで大丈夫?」
など、経営者様や人事担当者様にとっては、通常業務と並行しながら多くの準備を進めることになります。
そんなとき、意外と見落とされやすいのが、
「外国人材の雇用に活用できる助成制度がないか?」
という確認です。
弊社レジスタでは「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、これまで外国人材を受け入れる企業様の社宅探しをお手伝いしてきました。
弊社自身もこれまで社宅探しを中心にサポートしてきたため、企業様へ助成金についてご案内する機会はほとんどありませんでした。
しかし、社会保険労務士との情報交換をきっかけに改めて制度を確認すると、外国人労働者の就労環境を整備する企業が利用できる可能性のある助成金があることが分かりました。
その一つが、
です。
そして、この制度について企業様に特に知っていただきたいのが、
「外国人材を受け入れる準備を全部終えてから助成金を調べるのでは遅い可能性がある」
という点です。
今回は、これから外国人材を採用する企業様に向けて、なぜ採用・受け入れ準備を始める段階で助成金を確認した方がよいのかを解説します。
※本記事は2026年9月13日時点で厚生労働省が公表している令和8年度制度をもとに作成しています。助成金は年度途中を含め制度内容が変更される場合があります。実際の申請にあたっては、厚生労働省、管轄の労働局・ハローワークまたは社会保険労務士等へ最新情報をご確認ください。
外国人を雇用するだけでもらえる助成金ではありません
最初に誤解しないようにしたいポイントです。
外国人労働者就労環境整備助成コースは、
「外国人を1人採用したら○万円もらえる」
という制度ではありません。
厚生労働省によると、外国人特有の事情に配慮した就労環境を整備し、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主を助成する制度です。
令和8年度では、認定された計画に基づいて、
- 雇用労務責任者の選任
- 就業規則等の多言語化
を行い、さらに、
- 苦情・相談体制の整備
- 一時帰国のための休暇制度の整備
- 社内マニュアル・標識類等の多言語化
から所定の措置を選択して、新たに導入・実施することなどが求められます。離職率についても要件があります。
令和8年度の公表内容では、要件を満たした場合、
1制度につき20万円、上限80万円
となっています。
なぜ「採用前・準備前」に確認した方がいいの?
理由は、この助成金が、
「まず環境整備をして、その後に助成金を申請すればいい」
という単純な仕組みではないからです。
厚生労働省が示している基本的な流れは、
① 就労環境整備計画を作成・提出
↓
② 認定された計画に基づいて措置を導入
↓
③ 措置を実施
↓
④ 6か月間の算定期間
↓
⑤ 支給申請
↓
⑥ 審査後に助成金支給
となっています。
しかも、就労環境整備計画は計画期間開始日の1か月前までに提出する必要があります。
つまり、順番が重要なのです。
「良かれと思って先に準備」が助成金では問題になることも
例えば、外国人材を5名採用することになった会社があるとします。
会社としては外国人社員のために、
「就業規則を外国語へ翻訳しよう」
「相談窓口を作ろう」
「外国語の社内マニュアルを作ろう」
と考えるかもしれません。
どれも外国人材を受け入れる企業として良い取り組みです。
しかし、この助成金では認定された計画に基づいて対象措置を新たに導入することが要件になっています。
そのため、
外国人材採用決定
↓
すぐに翻訳会社へ依頼
↓
就業規則を多言語化
↓
相談体制も整備
↓
その後に助成金を知る
という順番では、せっかく行った取り組みを想定どおり助成対象にできない可能性があります。
だからこそ、
「まず助成制度を確認してから受け入れ準備を進める」
という考え方が重要になります。
外国人材の採用が決まったら「助成金確認」をチェックリストへ
弊社では以前、外国人材を初めて受け入れる企業様向けに、社宅探しのチェックリストをご紹介しました。
今後はそこに、
「利用できる助成金がないか確認する」
という項目も加えていただきたいと思います。
例えば外国人材3名の採用が決まったら、
□ 入社・入国予定日の確認
□ 在留資格・受け入れ手続きの確認
□ 助成金・支援制度の確認
□ 就業規則等の確認
□ 社宅の条件決定
□ 社宅探し
□ 家具・家電の準備
□ 入居後の生活ルールの準備
という順番です。
重要なのは、
助成金確認を最後にしないこと。
「外国人社員が入社してから調べよう」ではなく、採用が具体化した段階で一度確認することをおすすめします。
すでに外国人を雇用している企業でも可能性はある?
「もう外国人社員を雇用しているから遅いのでは?」
と思われる企業様もいらっしゃるかもしれません。
外国人労働者就労環境整備助成コースは、外国人労働者を雇用している事業主であることが主な要件の一つです。
したがって、すでに外国人材を雇用していることだけを理由に、直ちに対象外になるわけではありません。
ポイントになるのは、
これから対象となる就労環境整備措置を「新たに導入」できるか
という点です。
例えば、
「外国人社員はいるが、就業規則の多言語化をしていない」
「相談体制をまだ整えていない」
「社内マニュアルの多言語化を検討している」
といった企業であれば、制度を確認する価値があります。
ただし、既に行っている取り組みの扱いなどは個別判断が必要になるため、実際の対象可否は労働局等や社会保険労務士へ確認してください。
会社に外国人が1人だけでも確認する価値があります
外国人材を何十人も雇用している大企業だけの制度と思われるかもしれません。
しかし、厚生労働省が示す主な要件は「外国人労働者を雇用している事業主」であることであり、少人数だからという理由だけで制度確認の対象から外すべきではありません。
例えば、
「特定技能外国人を初めて1人採用した」
「技能実習生を3人受け入れる」
という企業様でも、まず対象になる可能性があるか確認してみる価値があります。
ただし、雇用保険など他の支給要件もあります。
「外国人1人=助成金がもらえる」ではありませんので注意してください。
社労士へ相談するメリットは「申請代行」だけではない
助成金申請というと、
「申請書を書いてもらう」
というイメージがあるかもしれません。
しかし今回のような制度では、それ以前に、
自社が対象になるのか
↓
どの措置を導入するのか
↓
いつ計画を提出するのか
↓
どのような規程を作るのか
↓
どの資料を残しておくのか
という制度設計が重要になります。
さらに令和8年度用だけでも、厚生労働省は計画書、概要票、外国人労働者名簿、支給申請関係書類など複数の様式を用意しています。
通常業務をしながら外国人材の受け入れ準備を行う中小企業にとって、これをすべて自社で調べることが負担になる場合もあります。
そのような場合には、社会保険労務士へ相談する方法があります。
社労士への依頼費用も確認しましょう
専門家へ依頼する場合には、当然ながら報酬が発生することがあります。
料金体系は事務所によって異なり、
着手金+成功報酬
などの形が取られることもあります。
したがって、
「80万円の助成金だから80万円得をする」
と単純に考えるのではなく、
助成予定額-専門家報酬-自社で必要となる費用
まで確認して判断することが大切です。
なお、この助成金では一定の条件のもと、外国人労働者の就労環境整備措置に要する社会保険労務士等への委託料、翻訳料、通訳費なども支給対象経費として考えられるものとして厚生労働省が示しています。
具体的に何が対象になるかは、申請前に確認してください。
助成金と社宅は別の制度です
「外国人技能実習生賃貸ナビ」で助成金をご紹介すると、
「助成金で社宅の家賃を払えるの?」
と思われる方もいるかもしれません。
今回の外国人労働者就労環境整備助成コースは、外国人労働者の就労環境整備を支援する制度です。
通常の社宅家賃や敷金・礼金を、そのままこの助成金の対象として紹介する制度ではありません。
ここは分けて考える必要があります。
一方、外国人材を受け入れる企業にとっては、
職場環境の準備と住環境の準備を同時に進める
必要があります。
「働く環境」と「暮らす環境」を同時に準備する
外国人材の採用が決まると、
会社では就業規則、相談体制、社内マニュアルなどの働く環境を整えます。
一方で、
「どこに住んでもらう?」
「1人1室にする?」
「何人かで生活してもらう?」
「勤務先までどうやって通勤する?」
「家具・家電は誰が用意する?」
といった暮らす環境も準備しなければなりません。
弊社が最近企業様からご相談を受ける中では、外国人材の採用・定着を考えて、
1R・1Kを1人1室で用意したい
という企業様も見られるようになっています。
外国人材の受け入れ準備を、
雇用手続きだけ
で考えるのではなく、
働く環境+暮らす環境
まで一体で考えることが重要になってきています。
助成金の確認と社宅探しは「早め」が共通点
実は、助成金と社宅探しには共通点があります。
それが、
「直前ではなく早めに動く」
ということです。
助成金は、対象となる取り組みを開始する前に計画提出等が必要になる場合があります。
社宅も、入国・入社直前になってから、
「来週5人入居できる物件を探してください」
となると、エリアや家賃、間取りなどの条件を大きく広げなければならない場合があります。
特に、
複数戸を同じ建物で借りたい
1R・1Kを5室確保したい
外国人複数人で入居したい
勤務先の近くに限定したい
といった条件では、早めの物件探しが重要です。
そのため外国人材の採用が具体化したら、
「助成制度について専門家へ相談する」
+
「社宅について不動産会社へ相談する」
を同じタイミングで始めるのがおすすめです。
2027年4月から育成就労制度へ
2027年4月1日からは、技能実習制度に代わって育成就労制度がスタートします。
これから外国人材を受け入れる企業にとって、
採用して終わりではなく、働き続けてもらえる環境をどう整えるか
という視点はさらに重要になっていくでしょう。
今回ご紹介した助成金も、外国人労働者の「職場定着」を目的とする制度です。
そして弊社では、外国人材が安心して生活できる住環境も、長く働くための土台の一つだと考えています。
助成制度を利用できるのであれば適切に活用し、職場環境を整える。
同時に、社宅や生活環境についても準備する。
外国人材の採用を考える企業様には、この両方を早い段階から検討していただきたいと思います。
外国人材の助成金について専門家のご紹介も可能です
弊社レジスタでは、外国人材の雇用に関する助成金について社会保険労務士との情報交換を行っています。
「自社は対象になる可能性がある?」
「すでに外国人を雇っているけれど間に合う?」
「これから外国人を採用するので、何から始めればいい?」
といった場合には、必要に応じて専門家をご紹介することも可能です。
助成金については企業ごとに雇用状況や既に実施している取り組みが異なるため、受給を保証できるものではありません。
特に、何かを実施・契約してからではなく、まず対象可否を確認することをおすすめします。
外国人材の社宅探しは「外国人技能実習生賃貸ナビ」へ
弊社レジスタでは「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、外国人技能実習生・特定技能外国人などを受け入れる企業様の住まい探しをサポートしています。
東京都および東京寄りの埼玉県・千葉県・神奈川県を中心に、
- 1R・1Kへの1人入居
- 複数人で入居できる社宅
- 法人契約
- 複数戸の同時契約
- 戸建住宅
- 社員寮
- 一棟借り
- 勤務先から通勤しやすいエリア選定
など、企業様の採用計画に合わせて物件をお探しします。
まだ、
「何人採用するか確定していない」
「入国日は数か月先」
「1人1室にするか複数人入居にするか決まっていない」
という段階でも構いません。
むしろ、条件がすべて決まる前からご相談いただくことで、予算やエリアを含めて住まいの条件を整理できます。
外国人材の採用が決まったら、
助成金は「取り組みを始める前」に確認。
社宅は「入居直前になる前」に相談。
この2つを、外国人材を受け入れる企業様の準備項目に加えてみてはいかがでしょうか。
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