外国人材を雇用する企業が使える助成金とは?最大80万円の「外国人労働者就労環境整備助成コース」を解説
2026/09/03
外国人技能実習生や特定技能外国人などを雇用している企業様、またはこれから外国人材の採用を予定している企業様の中には、
「外国人を雇用すると利用できる助成金はある?」
「就業規則を外国語に翻訳する費用は会社負担?」
「外国人材の受け入れ環境を整備するために利用できる制度はない?」
と考えている経営者様・人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
弊社レジスタでは、「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、これまで外国人技能実習生や特定技能外国人などを受け入れる企業様の社宅探しをお手伝いしてきました。
その中では、
「5名入国するので社宅を探してほしい」
「1R・1Kを1人1室で用意したい」
「複数人で生活できる物件を探している」
といった住まいのご相談を数多くいただいています。
一方、外国人材を受け入れる企業様が利用できる可能性のある「助成金」については、意外と知られていない制度があります。
その一つが、厚生労働省の
「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」
です。
令和8年度(2026年度)の制度では、一定の要件を満たして外国人労働者の就労環境を整備した場合、1制度につき20万円、最大80万円の助成を受けられる可能性があります。
今回は、外国人材を雇用している企業様にぜひ知っていただきたい「外国人労働者就労環境整備助成コース」について、不動産会社の立場から分かりやすくご紹介します。
※本記事は2026年9月2日時点の情報をもとに作成しています。助成金制度は変更される場合がありますので、実際の申請時には厚生労働省、管轄労働局・ハローワークまたは社会保険労務士等へ最新情報をご確認ください。
「外国人労働者就労環境整備助成コース」とは?
外国人労働者は、日本の労働法制や雇用慣行に関する知識、言語の違いなどによって、労働条件や職場でのコミュニケーションに問題が生じる場合があります。
そこで企業が外国人特有の事情に配慮した就労環境を整備し、外国人労働者の職場定着に取り組むことを支援するのが、
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
です。
単純に、
「外国人を雇用したら国からお金がもらえる」
という制度ではありません。
外国人材が安心して働き続けられるよう、一定の就労環境整備を行った企業を支援する制度です。
最大80万円。どのような取り組みが対象になる?
令和8年度の制度では、対象となる就労環境整備措置として次の5つがあります。
1.雇用労務責任者の選任
外国人労働者の雇用管理や相談対応などを担当する「雇用労務責任者」を選任します。
2.就業規則等の多言語化
就業規則などの社内規程を、外国人労働者が理解できる言語へ多言語化します。
外国人材を初めて雇用する企業にとっては、重要な受け入れ準備の一つです。
3.苦情・相談体制の整備
外国人労働者が職場で困ったことや悩みを相談できる体制を整えます。
4.一時帰国のための休暇制度の整備
外国人労働者が一時帰国するための休暇制度を新たに設けるなど、一定の要件を満たす制度を整備します。
5.社内マニュアル・標識類等の多言語化
労使協定、社内業務マニュアル、安全衛生関係資料、福利厚生に関する資料や標識類などを多言語化します。
すべて実施しないと助成金を受けられない?
5項目すべてを導入する必要があるわけではありません。
令和8年度では、
①雇用労務責任者の選任
+
②就業規則等の多言語化
を行ったうえで、
③~⑤のいずれかを選択
することが基本的な要件となっています。
助成額は、
1制度導入につき20万円
で、合計の上限は、
最大80万円
です。
例えば4つの制度について助成対象となれば、
20万円×4制度=80万円
という考え方になります。
ただし、実際の支給には、このほかにも雇用関係助成金共通の要件等があります。
外国人を1人雇えば80万円もらえるわけではありません
ここは非常に重要です。
「外国人労働者を雇用している企業が対象」
という説明だけを見ると、
「外国人を1人雇用すれば80万円もらえる」
と誤解してしまうかもしれません。
しかし、そうではありません。
厚生労働省が示している主な要件には、
- 外国人労働者を雇用していること
- 認定された就労環境整備計画に基づいて取り組むこと
- 対象となる就労環境整備措置を新たに導入・実施すること
- 外国人労働者の離職率について一定の要件を満たすこと
などがあります。
そのため、
「外国人を雇っている=受給決定」
ではありません。
自社が対象になるかについては、事前に専門家等へ確認することをおすすめします。
特に注意したいのが「先に取り組まない」こと
この助成金について、企業様に特に知っていただきたいのが申請の順番です。
厚生労働省が示す基本的な流れは、
①就労環境整備計画を作成・提出
↓
②認定された計画に基づいて制度を導入
↓
③制度を実施
↓
④一定期間経過後に支給申請
↓
⑤審査後に助成金支給
となっています。
つまり、
「外国人を採用することになったから、とりあえず就業規則を翻訳した」
「すでに相談体制を整備した」
「全部終わってから助成金があることを知った」
では、想定していた助成を受けられない可能性があります。
だからこそ、
外国人材を採用することが決まった段階で、利用できる助成制度がないか確認する
ことが大切です。
就業規則の翻訳や社労士への委託費も関係する?
この制度では、一定の要件のもとで外部機関や専門家へ支払った費用についても支給対象経費として考えられるものがあります。
厚生労働省は例として、
- 通訳費
- 翻訳機器導入費
- 翻訳料
- 弁護士・社会保険労務士等への委託料
- 多言語の社内標識類の設置・改修費
などを挙げています。
外国人材を初めて受け入れる中小企業にとって、
「どの書類を用意すればいいのか」
「就業規則をどこまで多言語化するのか」
「申請書をどう作成すればいいのか」
を自社だけで判断するのは難しいこともあります。
そのような場合には、社会保険労務士などの専門家へ相談する方法があります。
助成金はすぐに振り込まれるわけではありません
「最大80万円」と聞くと、申請後すぐに受け取れるイメージを持つかもしれません。
しかし、この制度では一定期間の取り組みが必要です。
厚生労働省の令和8年度資料では、就労環境整備措置を実施した後、翌日から6か月間の算定期間が設けられ、その終了後2か月以内に支給申請する流れとなっています。
また、外国人労働者の離職率についても一定の要件があります。
したがって、
「外国人を採用するから、来月80万円が入る」
という資金計画を立てる制度ではありません。
外国人材が長く働ける環境をつくり、その取り組みを国が支援する制度として考える方が分かりやすいでしょう。
なぜこの助成金はあまり知られていない?
弊社もこれまで多くの外国人材を雇用する企業様から社宅探しのご相談を受けてきましたが、助成金についてお話しする機会はほとんどありませんでした。
外国人材の受け入れでは、
監理団体、登録支援機関、行政書士、社会保険労務士、人材紹介会社、不動産会社
など、さまざまな事業者が関わります。
しかし、それぞれ専門分野が異なります。
そのため、
「在留資格については説明を受けた」
「技能実習・特定技能については説明された」
「社宅も用意した」
けれど、
「利用できる助成制度については知らなかった」
という企業様がいても不思議ではありません。
外国人材を受け入れる際には、住まいだけでなく、利用できる助成制度についても早めに確認してみることをおすすめします。
助成金で「社宅の家賃」が支払われる制度ではありません
ここは明確にしておきたいところです。
今回ご紹介している助成金は、基本的に外国人労働者の就労環境整備を支援するものです。
したがって、
「80万円を外国人社員の社宅家賃として自由に使える」
という制度ではありません。
社宅の敷金・礼金や毎月の家賃を直接補助する制度として紹介するのは適切ではありません。
しかし企業から見れば、
外国人材を採用すると、
採用費
+
就労環境整備
+
社宅
+
家具・家電
+
生活支援
など、さまざまなコストが発生します。
利用できる助成制度を適切に活用できれば、外国人材の受け入れに伴う企業全体の負担を考えるうえでプラスになる可能性があります。
外国人材の「働く環境」と「暮らす環境」を一緒に考える
外国人材に長く働いてもらうためには、職場だけを整えればよいわけではありません。
仕事が終われば、外国人社員も社宅へ帰って生活します。
弊社が最近外国人材を受け入れる企業様からご相談を受ける中では、
「1R・1Kに1人ずつ住ませたい」
「できるだけ職場に通いやすい場所を探したい」
「プライバシーを確保してあげたい」
など、住環境を重視する企業様も見られるようになりました。
これは外国人材の確保・定着を考える企業が、
「外国人が住めればいい社宅」から「外国人材に長く働いてもらうための住環境」へ
考え方を変え始めている表れとも考えられます。
今回の助成金が目指している「外国人労働者の職場定着」と、企業が取り組む住環境の改善は制度上は別の話ですが、
外国人材が安心して働き、安心して暮らせる環境をつくる
という方向性では共通しています。
外国人材の助成金について専門家へのご相談も可能です
弊社では今回、外国人材の雇用に関する助成金を専門に取り扱う社会保険労務士との情報交換も開始しました。
「自社が助成金の対象になる可能性があるのか」
「どの制度を導入すればよいのか」
「申請前に何を準備すればよいのか」
といった専門的な内容については、必要に応じて社会保険労務士をご紹介することも可能です。
なお、助成金の受給可否は企業ごとの雇用状況や取り組み内容等によって異なり、審査の結果、支給されない場合もあります。
最終的な制度の確認・申請については、管轄の労働局・ハローワークまたは社会保険労務士等へご確認ください。
外国人材の社宅探しは「外国人技能実習生賃貸ナビ」へ
そして、外国人材を採用することが決まったら、助成金と同じように早めに準備していただきたいのが住まいです。
弊社レジスタでは「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、外国人技能実習生・特定技能外国人をはじめとした外国人材の社宅探しをサポートしています。
東京都および東京寄りの埼玉県・千葉県・神奈川県を中心に、
- 1R・1Kへの1人入居
- 複数人で生活できる社宅
- 法人契約
- 複数戸の同時契約
- 戸建住宅
- 社員寮
- 一棟借り
- 勤務先から通勤しやすいエリアのご提案
など、企業様の採用計画に合わせて物件をお探しします。
外国人材の採用が決まったら、
働く環境については「利用できる助成制度がないか」を確認する。
暮らす環境については「どこに住んでもらうか」を早めに検討する。
この2つを受け入れ準備のチェック項目に加えてみてはいかがでしょうか。
外国人材の社宅探しについては「外国人技能実習生賃貸ナビ」へお気軽にご相談ください。
また、外国人雇用に関する助成金について専門家への相談をご希望の場合も、ご紹介可能ですのでお問い合わせください。
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