外国人入居可能物件はなぜ少ない?貸主様が知っておきたい現状とメリット
2026/09/14
賃貸物件を所有している貸主様の中には、
「外国人入居可能にするとトラブルが増えるのでは?」
「外国人不可にしておいた方が安心では?」
「わざわざ外国人向けに募集するメリットはある?」
と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方、弊社レジスタでは「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、外国人技能実習生や特定技能外国人などを雇用する企業様から、社宅探しのご相談をいただいています。
実際に物件を探していると感じるのが、
「外国人材を受け入れる企業側には住宅需要がある一方、条件に合う外国人入居可能物件がなかなか見つからない」
ということです。
特に、
「1R・1Kを1人1室で借りたい」
「同じ建物で複数戸借りたい」
「会社名義で社宅として契約したい」
といったご希望があっても、外国人入居について貸主様や管理会社への確認が必要となり、すべての募集物件をご紹介できるわけではありません。
では、なぜ外国人入居可能物件は少ないのでしょうか。
今回はその理由と、貸主様が外国人材への賃貸を検討するメリットについて、不動産会社の立場から解説します。
外国人材が増えれば「住まい」も必要になります
日本で働く外国人材が増えれば、当然ながら生活するための住宅も必要になります。
外国人材といっても、
- 技能実習
- 特定技能
- 技術・人文知識・国際業務
- 留学生から就職した方
- その他の就労可能な在留資格
など、さまざまです。
海外から来日する方の場合、自分で日本の賃貸物件を探して、貸主・管理会社の審査を受け、日本語の契約書を理解して契約することが難しいケースもあります。
そこで企業側が、
外国人社員のために社宅を用意する
ことがあります。
弊社でも、外国人材を採用する企業様から社宅探しについてお問い合わせをいただいています。
つまり賃貸市場では、
外国人材本人の住宅需要だけでなく、「外国人社員のために住宅を借りたい企業」の需要も存在する
ということです。
それでも外国人入居可能物件が少ないのはなぜ?
外国人材の住宅需要があるにもかかわらず、なぜ外国人入居可能物件は限られてしまうのでしょうか。
いくつかの理由が考えられます。
理由① 言葉の問題が心配
貸主様・管理会社が最初に心配することの一つがコミュニケーションです。
例えば、
「設備が故障したときに連絡できる?」
「契約内容を理解してもらえる?」
「ゴミ出しのルールを説明できる?」
といった不安です。
確かに、日本語での意思疎通が難しい場合には、管理上の負担が増える可能性があります。
一方、外国人材の社宅では勤務先企業が契約者となったり、企業担当者が連絡窓口になったりするケースがあります。
本人だけを見るのではなく、
「問題が発生したときに誰と連絡が取れるのか」
まで確認することが重要です。
理由② 家賃滞納への不安
「外国人へ貸して家賃を滞納されたらどうする?」
という心配もあります。
しかし、家賃滞納は外国人だけに発生する問題ではありません。
賃貸借契約では、
- 契約者
- 勤務先
- 収入
- 法人の信用力
- 保証会社
- 緊急連絡先
などを確認して審査します。
外国人材の場合でも同じです。
さらに企業の社宅として法人契約する場合もあります。
国籍だけでリスクを判断するのではなく、誰が契約し、誰が家賃支払いの責任を負い、どのような保証を付けるのかを見ることが大切です。
理由③ 生活習慣の違いへの不安
ゴミの分別や騒音など、生活習慣の違いを心配する貸主様も少なくありません。
特に、
- ゴミ出し
- 騒音
- 共用部分の利用
- 自転車
- 喫煙
- 友人・知人の宿泊
などは、集合住宅では近隣トラブルにつながる可能性があります。
ただ、本人がルールを守ろうとしていないとは限りません。
単純に、
「日本の賃貸住宅のルールを知らない」
というケースもあります。
入居時にルールを説明することや、法人社宅であれば勤務先企業にもルールを共有することで、トラブルを予防できる部分があります。
理由④ 無断で入居人数が増えることへの不安
外国人材の住まいについて、
「最初は2人と聞いていたのに、いつの間にか人数が増えるのでは?」
という心配をされることもあります。
ここについては、申込・契約段階で、
実際の入居者と入居人数を明確にする
ことが重要です。
また、
「入居者変更には貸主・管理会社の事前承諾が必要」
など、社宅利用時のルールを明確にしておく方法があります。
法人契約だからといって、企業側が自由に入居者を入れ替えられるとは限りません。
最初から契約条件を整理しておくことが大切です。
理由⑤ 過去の経験やイメージで「外国人不可」になっている
実務上、ここも意外とあると思います。
以前に外国人入居者とのトラブルがあった。
管理会社から外国人不可を勧められた。
以前から募集条件が外国人不可になっている。
特に理由を確認せず、前回の募集条件をそのまま引き継いでいる。
こうした事情から、
「外国人不可」が長年そのままになっている物件
もあります。
もちろん過去にトラブルがあれば慎重になるのは当然です。
しかし、現在の契約条件や保証会社、企業社宅という需要まで踏まえると、
以前とは違う条件で検討できるケースもあるかもしれません。
「外国人可」にすると誰でも入居させなければならない?
外国人入居を検討する貸主様に、特にお伝えしたいポイントです。
外国人入居を検討するからといって、
「外国人なら誰でもOK」
にする必要はありません。
むしろ弊社では、
「外国人相談可」
という考え方をおすすめします。
例えば、
法人契約なら相談可能
保証会社を利用できれば相談可能
1名入居なら相談可能
勤務先が確認できれば相談可能
企業担当者が連絡窓口になれば相談可能
などです。
実際に申し込みが入った段階で条件を確認し、貸主様に判断していただくことができます。
これなら、
募集対象を広げながら、入居審査まで緩くする必要はありません。
外国人入居を検討するメリット① 募集対象を広げられる
最大のメリットはシンプルです。
これまで、
日本人のみ
だった募集対象を、
日本人+条件を満たす外国人
へ広げることができます。
空室対策では、
「賃料を下げる」
ことに目が向きがちです。
しかし賃料を下げる前に、
「現在の条件のまま募集対象を広げられないか」
という方法も検討できます。
外国人材への賃貸は、その選択肢の一つです。
メリット② 法人社宅として借りてもらえる可能性がある
外国人材を採用する企業では、会社が住宅を借りて外国人社員へ提供することがあります。
この場合、
借主=勤務先企業
入居者=外国人社員
という契約になることがあります。
貸主様にとっては、
「外国人個人へ貸す」
という選択肢だけではありません。
企業の内容や保証条件を確認したうえで、
法人社宅として貸す
という選択肢があります。
メリット③ 複数戸を同時に借りてもらえる可能性がある
これは外国人材の社宅探しならではの需要の一つです。
例えば企業が外国人材を6名採用し、
「全員を1人1室にしたい」
と考えれば、1R・1Kが6室必要になります。
そのため、
「同じ建物で複数室空いていませんか?」
「近くでまとめて借りられませんか?」
というご相談になることがあります。
複数室の空室を抱えているアパート・マンションでは、企業側の条件とうまく合えば、一度に複数戸を契約できる可能性があります。
もちろん、一社で複数戸を借りる場合には将来の同時解約リスクなどもありますので、メリットだけで判断するのではなく契約条件も確認する必要があります。
メリット④ 駅から離れた物件にも可能性がある
一般の単身者向け物件では、
「駅徒歩○分」
が非常に重要です。
しかし外国人材の社宅では、勤務先との位置関係が重視される場合があります。
例えば、
駅から徒歩20分
でも、
勤務先まで自転車10分
なら企業にとって好条件かもしれません。
また、企業によっては送迎バスや社用車などを利用することもあります。
一般市場では駅距離が弱点になっている物件でも、外国人材の勤務先との位置関係によっては評価が変わる可能性があります。
メリット⑤ 戸建住宅や築年数の経過した物件にも需要がある
外国人材向けの社宅需要は1R・1Kだけではありません。
企業によっては、
- 2DK
- 3DK
- 2LDK
- 3LDK
- 戸建住宅
- 一棟アパート
- 社員寮
などを探している場合があります。
例えば戸建住宅で、
「駅から少し遠い」
「築年数が経過している」
という物件でも、
複数人で生活でき、勤務先へのアクセスが良ければ社宅候補になることがあります。
一般の募集市場とは違う評価軸で物件を検討してもらえる可能性があります。
最近は「1R・1Kに1人」という企業も
外国人材の社宅というと、
「できるだけ安い物件に複数人で生活する」
というイメージが強いかもしれません。
もちろん現在でも複数人入居の需要はあります。
一方、弊社が最近企業様からご相談を受ける中では、
「外国人社員にも1R・1Kを1人1室で用意したい」
というケースも見られます。
背景には、
- プライバシーへの配慮
- 共同生活のストレス軽減
- 福利厚生
- 採用競争力
- 人材定着
などがあります。
つまり、外国人材向け賃貸住宅は、
「低家賃・複数人入居の物件だけの市場ではない」
ということです。
一般の単身者向けワンルーム・1Kでも、外国人材を雇用する企業の社宅需要とマッチする可能性があります。
2027年4月から育成就労制度がスタート
2027年4月1日からは、技能実習制度に代わる「育成就労制度」がスタートします。
外国人材を受け入れる制度が変わっても、
外国人材が日本で生活するための住まいが必要であること
は変わりません。
さらに企業側でも、人材を採用するだけではなく、
「どうすれば長く働いてもらえるのか」
を考えることがますます重要になります。
給与、仕事内容、職場環境だけでなく、毎日生活する住環境もその一つです。
弊社でも最近、外国人材の社宅について「安さ」だけではなく、1人1室や通勤環境などを重視する企業様からのご相談が見られます。
貸主様にとっても、こうした外国人材の住宅需要を今後の賃貸経営の選択肢として考える価値はあるのではないでしょうか。
外国人材向けに貸せる物件が不足しています
弊社レジスタでは「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、外国人材を採用する企業様の社宅探しをサポートしています。
企業様から、
「外国人社員5人分の社宅を探してほしい」
「1R・1Kを複数戸探している」
「法人契約できる物件を探している」
「複数人で生活できる戸建住宅を探している」
とご相談いただくことがあります。
しかし、
企業側に住宅需要があっても、貸していただける物件がなければマッチングできません。
そこで弊社では、外国人材への賃貸を検討いただける貸主様からの物件情報を募集しています。
例えば、
- 1R・1Kが空室になっている
- アパートで複数戸が空いている
- 法人契約なら外国人入居を検討できる
- 外国人1名なら相談可能
- 複数人入居できる戸建住宅がある
- 社員寮として利用できる物件がある
- 長期間空室になっている
- 現在は外国人不可だが条件次第では検討できる
といった段階でも構いません。
まずは「外国人相談可」から始めてみませんか?
外国人入居について不安がある貸主様が、
いきなり、
「外国人全面OK」
に変更する必要はありません。
まずは、
「外国人相談可」
として、
問い合わせがあった際に、
誰が契約するのか
どこの企業で働いているのか
何人で入居するのか
保証会社を利用できるのか
企業担当者と連絡が取れるのか
などを確認して、一件ずつ判断する方法があります。
これまで外国人入居を受け入れていなかった物件でも、
法人契約+1名入居+保証会社利用
なら検討できるという貸主様もいらっしゃるかもしれません。
空室対策というと、すぐに賃料を下げることを考えがちです。
しかし、その前に、
「今の賃料のまま、募集できる入居者層を広げられないか」
を考えてみる方法もあります。
外国人材への賃貸は、その一つの選択肢です。
弊社レジスタでは、外国人材の住まいを探している企業様と、外国人材への賃貸を検討いただける貸主様の双方からご相談を承っています。
「この物件でも外国人材へ貸せる?」
という段階からでも構いません。
外国人材の住宅需要を、新しい空室対策の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
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