外国人材向け賃貸住宅という選択肢|空室対策として注目される理由
2026/09/10
賃貸アパート・マンションを所有している貸主様の中には、
「以前より空室期間が長くなってきた」
「駅から少し離れているため、なかなか入居者が決まらない」
「築年数が経過して、周辺の新しい物件との競争が厳しくなってきた」
といったお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
空室対策というと、
- 賃料を下げる
- 敷金・礼金を見直す
- リフォームする
- 設備を追加する
- 広告料を増やす
などが一般的です。
しかし、もう一つ考えてみたいのが、
「これまで対象としていなかった入居者層へ募集を広げる」
という方法です。
その一つが、外国人材への賃貸です。
弊社レジスタでは「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、外国人技能実習生や特定技能外国人などを雇用する企業様の社宅探しをお手伝いしています。
実際に企業様から、
「外国人社員が入居できる物件を探している」
「5人採用するので社宅を探してほしい」
「ワンルームを複数戸まとめて借りたい」
といったご相談をいただくことがあります。
今回は、外国人材向け賃貸住宅を空室対策の選択肢として考える理由と、貸主様が募集前に確認しておきたいポイントについて、不動産会社の視点から解説します。
外国人材の増加によって「住まい」も必要になります
外国人材の受け入れが増えれば、当然ながら働く場所だけではなく生活するための住まいも必要になります。
技能実習生、特定技能外国人、技術・人文知識・国際業務など、外国人材の働き方や在留資格はさまざまです。
そして企業が外国人材を採用すると、
「採用した人をどこに住ませるか」
という問題が発生します。
特に海外から来日する外国人材の場合、自分自身で日本の賃貸住宅を探し、審査を受け、契約手続きを行うことが難しいケースもあります。
そのため勤務先企業が社宅を用意したり、法人契約で賃貸住宅を借りたりするケースがあります。
外国人材の雇用が広がることは、賃貸住宅市場から見ると、
新たな住宅需要が生まれる
という側面もあるのです。
「外国人=複数人入居」だけではありません
外国人技能実習生などの住まいというと、
「2DKや3DKに何人かで住む」
「戸建住宅を社員寮として利用する」
といったイメージを持たれる貸主様も多いと思います。
実際、このようなニーズは現在もあります。
住宅費を抑えられるため、企業側にもメリットがあります。
しかし最近、弊社が企業様から物件探しのご相談を受ける中で見られるのが、
「1R・1Kに1人ずつ入居させたい」
というニーズです。
企業側も、
- 外国人材のプライバシーを確保したい
- 共同生活によるストレスを減らしたい
- 福利厚生を充実させたい
- 優秀な人材を採用したい
- 長く働いてもらいたい
といった理由から住環境を重視するようになっています。
つまり外国人材向け賃貸といっても、
一般的な単身者向けワンルーム・1Kが企業社宅として求められるケース
もあるということです。
空室対策として外国人材向け賃貸を考えるメリット
① 募集対象を広げられる
例えば現在、
「外国人不可」
として募集している物件があるとします。
当然ながら、外国人材本人や外国人材の社宅を探している企業はその物件を検討できません。
これを、
「外国人相談可」
とするだけでも、募集対象を広げられる可能性があります。
ここで重要なのは、
「外国人なら誰でも無条件でOK」にする必要はない
ということです。
例えば、
- 法人契約なら相談可能
- 保証会社利用必須
- 日本国内の勤務先が確認できる方
- 入居人数○名まで
- 緊急連絡先必須
など、貸主様が安心できる条件を設定して募集する方法があります。
② 法人契約という需要もある
外国人材の住まいでは、外国人本人ではなく勤務先企業が借主になる場合があります。
貸主様からすると、
「外国人個人へ貸す」
というイメージだけでなく、
「外国人社員のために企業へ社宅として貸す」
という考え方ができます。
もちろん、法人契約であれば必ず安心というわけではありません。
企業についても、
- 事業内容
- 業歴
- 業績
- 信用力
- 保証会社利用
- 社宅としての利用方法
などを確認する必要があります。
それでも、外国人入居に不安を感じていた貸主様にとっては、検討しやすい契約方法の一つになるでしょう。
③ 複数戸をまとめて探している企業もある
外国人材の採用では、一度に複数名を採用するケースがあります。
例えば企業が5人採用し、
「できれば同じ建物でワンルームを5室借りたい」
という希望を持つこともあります。
一般の個人入居者であれば通常1人につき1室の契約ですが、法人社宅の場合、企業が複数戸を同時に探すケースがあります。
アパートやマンションで複数の空室を抱えている貸主様にとっては、こうした需要と条件が合えば、複数室の空室解消につながる可能性があります。
ただし、同一企業による複数戸利用では、将来的に退職・配置転換等によって同時解約となる可能性もあります。
複数戸契約にはメリットだけでなくリスクもあるため、契約条件まで確認して判断することが重要です。
駅から少し離れた物件にも可能性があります
一般的な単身者向け賃貸では、
「駅徒歩5分以内」
など駅からの距離が大きな競争力になります。
一方、外国人材の社宅探しでは、必ずしも駅距離だけで物件を判断するとは限りません。
企業によっては、
- 自転車通勤
- バス通勤
- 会社の送迎
- 工場・物流施設などへの徒歩通勤
を想定していることがあります。
例えば駅から徒歩20分の物件でも、
勤務先の工場まで自転車で10分
であれば、その企業にとっては便利な社宅かもしれません。
一般市場では駅距離が弱点になっている物件でも、
「外国人材の勤務先との距離」
という別の視点で評価される可能性があります。
これは外国人材向け賃貸の面白いところだと思います。
戸建賃貸も外国人材の社宅候補になります
外国人材向け住宅はワンルームだけではありません。
例えば、
- 戸建住宅
- 2DK
- 3DK
- 2LDK
- 3LDK
- 社員寮
- 一棟アパート
なども条件によっては社宅として検討されます。
特に戸建住宅の場合、
「一般のファミリー層からなかなか問い合わせがない」
という物件でも、
複数人が生活できる企業社宅
という使い方ができる場合があります。
ただし、単に部屋が広ければ何人でも住めるわけではありません。
実際の入居人数や利用方法、契約条件、関係する基準等を確認したうえで募集する必要があります。
「家賃が安ければいい」から変化している企業もあります
以前の外国人材向け社宅では、
「できるだけ住宅費を抑えたい」
という企業ニーズが強くありました。
現在もコストは重要です。
しかし弊社が企業様からご相談を受ける中では、
住環境そのものを採用・定着のための福利厚生として考える企業
も見られるようになっています。
例えば、
「少し家賃が高くても1人1室にしたい」
「古すぎる物件は避けたい」
「Wi-Fiを利用できるようにしたい」
「スーパーが近い場所にしたい」
などです。
企業が外国人材から選ばれ、長く働いてもらうために住環境へ投資する。
こうした考え方が広がれば、外国人材向け住宅についても、単なる「低家賃物件」だけではない需要が生まれてきます。
外国人入居で貸主様が心配するポイント
もちろん、外国人材向けに募集対象を広げるからといって、リスクを考えなくてよいわけではありません。
貸主様からは、
「家賃滞納は大丈夫?」
「ゴミ出しのルールを守ってもらえる?」
「騒音トラブルは?」
「いつの間にか入居人数が増えない?」
「突然帰国したらどうする?」
といったご不安があります。
こうした不安については、外国人だから問題ないと楽観視するのでも、外国人だから危険と決めつけるのでもなく、
契約と管理で確認できる部分を整理する
ことが重要です。
例えば、
- 契約者を確認する
- 勤務先を確認する
- 保証会社を利用する
- 入居者を明確にする
- 入居人数を契約書に明記する
- 入居者変更のルールを決める
- 緊急連絡先を確認する
- ゴミ・騒音などの生活ルールを説明する
といった方法があります。
外国人入居に関する不安については、別の記事「外国人入居は本当にリスク?貸主様によくある不安を不動産会社が解説」でも詳しくご紹介しています。
「外国人不可」から「外国人相談可」へ
外国人入居を一度も受け入れたことがない貸主様に、
「今後は外国人なら誰でも入居可能にしましょう」
とおすすめするつもりはありません。
むしろ最初は、
「外国人不可」から「外国人相談可」へ
変更するところから検討してみてもよいと思います。
問い合わせがあった段階で、
誰が契約するのか。
どこの会社で働くのか。
何人で住むのか。
どの在留資格なのか。
保証会社は利用できるのか。
企業担当者と連絡が取れるのか。
こうした情報を確認し、貸主様が一件ずつ判断する方法です。
これなら募集対象を広げながら、貸主様側でも入居条件をコントロールできます。
2027年4月から「育成就労制度」がスタート
外国人材を取り巻く環境は今後さらに変わります。
2027年4月1日からは、技能実習制度に代わる「育成就労制度」がスタートします。
制度の目的や仕組みは技能実習制度と異なりますが、外国人材を受け入れる企業にとって、
「働く場所だけではなく、安心して生活できる住まいをどう確保するか」
は引き続き重要な課題になります。
そして外国人材の住宅を探す企業が増えれば、その受け皿となる賃貸住宅も必要です。
貸主様にとっても、
外国人材の住宅需要を賃貸経営へ取り込めるか
という視点は、今後の空室対策を考えるうえで一つの選択肢になるのではないでしょうか。
外国人材向けに貸せる物件情報を募集しています
弊社レジスタでは「外国人技能実習生賃貸ナビ」を運営し、外国人技能実習生・特定技能外国人などを雇用する企業様から社宅探しのご相談を受けています。
その一方で、
企業様からご相談をいただいても、外国人材が入居できる物件がなければご紹介できません。
そこで弊社では、外国人材への賃貸を検討していただける貸主様からの物件情報も募集しています。
例えば、
- ワンルーム・1Kが空室になっている
- アパートで複数室が空いている
- 法人契約なら外国人入居を検討できる
- 外国人1名入居なら相談できる
- 複数人で利用できる戸建住宅がある
- 社員寮として貸せる建物がある
- 長期間空室になっている物件がある
- 外国人不可にしているが条件次第では検討したい
といった物件がございましたら、ぜひご相談ください。
空室対策は「賃料を下げる」だけではありません
空室期間が長くなると、
「家賃を下げた方がいいのでは?」
と考える貸主様も多いと思います。
もちろん、募集賃料が相場から大きく離れていれば賃料の見直しも必要です。
しかし、その前に、
「今まで対象にしていなかった入居者層へ募集を広げられないか」
を考える方法もあります。
外国人材向け賃貸住宅は、その選択肢の一つです。
外国人材を雇用する企業側には「住まいを確保したい」という需要があります。
一方、貸主様側には「空室を減らしたい」という課題があります。
その双方を不動産会社がつなぐことで、
企業には外国人材が安心して生活できる住まいを。
貸主様には新しい賃貸需要を。
というマッチングができる可能性があります。
弊社レジスタでは、外国人材の社宅を探している企業様だけでなく、外国人材への賃貸を検討されている貸主様からのご相談も承っています。
「自分の物件でも外国人材向けに募集できる?」
「法人社宅として貸す場合はどんな契約になる?」
「何人まで入居可能にすればよい?」
といった段階でも構いません。
現在の募集条件や物件の状況を確認しながら、外国人材向け賃貸という選択肢を一緒に検討いたします。
外国人材向け賃貸を、これからの空室対策の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
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