親が自主管理していた賃貸物件を相続したら?まず確認したい7つのポイント
2026/10/04
親が所有していたアパートやマンション、店舗、ビルなどを相続した際、意外と多いのが「賃貸物件の管理状況が分からない」という問題です。
これまで親が自主管理していた場合、賃貸借契約の内容や入居者との取り決め、過去の修繕履歴などを相続人が把握していないケースも少なくありません。
特に、長年同じ入居者やテナントが入居している物件では、契約書に記載されていない個別の約束が存在することもあります。
相続したからといって、すぐに管理会社へ委託したり、物件を売却したりする必要はありません。
まずは現在の管理状況を整理し、今後どのように賃貸経営を続けていくか検討することが大切です。
今回は、親が自主管理していた賃貸物件を相続した際に、まず確認しておきたい7つのポイントを解説します。
1.賃貸借契約書と入居者・テナントの契約内容を確認する
最初に確認したいのが、現在入居している方との賃貸借契約です。
アパートやマンションだけでなく、店舗や事務所の場合も、契約内容を正確に把握する必要があります。
主な確認項目は以下のとおりです。
- 賃貸借契約書の有無
- 契約期間と更新時期
- 現在の賃料・共益費
- 敷金・保証金の金額
- 保証会社への加入状況
- 連帯保証人の有無
- 契約書以外の覚書や特約
特に古い賃貸物件では、契約書が見つからない場合や、何度も更新を繰り返しているケースがあります。
また、親と入居者の間で口頭による取り決めが行われている可能性もあります。
契約書が見つからないからといって、賃貸借契約が存在しなくなるわけではありません。
現在の契約関係を確認し、必要に応じて専門家へ相談しながら整理しましょう。
2.家賃の入金状況と滞納の有無を確認する
次に確認したいのが、家賃の入金状況です。
親が自主管理していた場合、専用の管理システムなどを利用せず、銀行口座への入金だけで管理していることもあります。
まずは、賃貸借契約書に記載された賃料と実際の入金額が一致しているか確認しましょう。
確認したい項目
- 毎月の家賃・共益費
- 家賃の支払日
- 家賃の振込先
- 滞納の有無
- 保証会社による家賃保証の有無
- 過去の賃料減額などの取り決め
相続人が知らないうちに、家賃滞納が発生している可能性もあります。
また、相続によって貸主が変更されたことを入居者やテナントへ通知し、今後の家賃の支払先を案内する必要が生じる場合もあります。
遺産分割が完了していない場合には、家賃の受取方法や管理権限について、相続人間で整理しておくことも重要です。
3.敷金・保証金の預かり状況を確認する
相続した賃貸物件で特に注意したいのが、敷金や保証金です。
敷金は単なる賃料収入ではなく、賃貸借契約終了時に、未払賃料などの債務を控除した残額について返還義務が生じるものです。
不動産の相続に伴い、貸主としての地位を承継する場合には、原則として敷金返還債務なども引き継ぐことになります。
例えば、親が店舗を貸しており、テナントから保証金300万円を預かっていたケースを考えてみましょう。
相続人が保証金の存在を知らず、受け取った家賃だけを収入として考えていると、将来の退去時に大きな負担が発生する可能性があります。
特に事業用賃貸物件では、保証金の金額が高額になることもあります。
保証金の償却や返還条件についても、契約書を確認する必要があります。
相続した物件の収益性を判断する際には、毎月の家賃収入だけでなく、将来的に返還する可能性がある敷金・保証金も把握しておきましょう。
4.建物の修繕履歴と設備の管理状況を確認する
賃貸経営では、建物や設備の維持管理が欠かせません。
親が長年管理していた物件では、過去の修繕内容や設備の交換時期などを相続人が把握していない場合があります。
特に確認したいのは、以下の項目です。
- 外壁・屋上防水の修繕履歴
- 給排水設備の状態
- エアコン・給湯器などの設備
- エレベーターや消防設備の点検状況
- 雨漏りなどの不具合
- 今後予定されている修繕工事
建物の築年数が古い場合、今後まとまった修繕費用が発生する可能性もあります。
また、店舗や事務所などの事業用賃貸物件では、設備の所有区分や修繕負担が契約ごとに異なることがあります。
例えば、テナントが設置した設備なのか、貸主が設置した設備なのかによって、修繕や交換の負担が変わる場合があります。
相続をきっかけに建物全体の状態を確認し、必要な修繕について優先順位をつけることが大切です。
5.入居者・テナントとの過去のトラブルや取り決めを確認する
自主管理物件で見落としやすいのが、入居者やテナントとの過去のやり取りです。
親が長年管理していた物件では、入居者との信頼関係によって管理が成り立っていた可能性もあります。
例えば、次のようなケースです。
- 特定の入居者だけ駐車場を無料で利用している
- 店舗の営業時間について個別の取り決めがある
- 過去に騒音や漏水などのトラブルが発生している
- 修繕について貸主とテナントが独自の約束をしている
- 契約書に記載されていない設備の利用を認めている
こうした事情を知らないまま管理を引き継ぐと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
可能であれば、親が保管していた書類やメール、修繕業者とのやり取りなども確認しておきましょう。
また、入居者やテナントに対して管理体制の変更を丁寧に説明することも重要です。
特に店舗やビルでは、長年営業しているテナントとの関係を維持しながら、管理体制を整えることが求められます。
6.現在の賃料と周辺相場、空室状況を確認する
相続をきっかけに、賃貸経営そのものを見直すことも大切です。
長年自主管理していた物件では、賃料設定や募集方法が以前のままになっているケースがあります。
例えば、10年以上同じテナントが入居している店舗では、現在の周辺相場と賃料に差が生じている可能性があります。
また、アパートやマンションで空室が発生している場合、募集条件が現在の市場に合っていないことも考えられます。
確認したいのは、次のような項目です。
- 現在の賃料と周辺相場
- 空室期間
- 過去の募集条件
- 入居者やテナントからの問い合わせ状況
- 設備や内装の競争力
- 今後の賃料収入の見込み
ただし、周辺相場が上昇しているからといって、既存の入居者やテナントの賃料を一方的に引き上げられるわけではありません。
現在の契約内容や法令上の要件を踏まえた対応が必要です。
一方、空室については募集条件を見直すことで、改善につながる可能性があります。
相続した物件に空室がある場合には、管理方法だけでなく、募集方法も見直してみましょう。
7.今後も自主管理を続けるか、管理会社へ委託するか検討する
最後に検討したいのが、今後の管理体制です。
親が自主管理できていたからといって、相続人も同じように管理できるとは限りません。
会社員として働いている方や、不動産管理の経験がない方にとって、家賃管理、設備の故障、入居者対応などをすべて行うことは負担になる場合があります。
一方、管理会社へ全面的に委託すると、毎月の管理費用が発生します。
そのため、管理体制については主に次の3つの選択肢があります。
① 自主管理を継続する
相続人自身が家賃管理や入居者対応、修繕手配などを行う方法です。
管理委託費用を抑えられる一方、管理に必要な時間や専門知識が求められます。
② 管理会社へ委託する
家賃管理や入居者対応、修繕手配などを管理会社へ委託する方法です。
委託する業務範囲や費用は管理会社によって異なるため、契約前に確認する必要があります。
③ 自主管理を続けながら、空室募集だけ不動産会社へ依頼する
管理は自分で行い、入居者やテナントの募集についてのみ不動産会社へ依頼する方法です。
「管理費用は抑えたいけれど、空室募集は専門業者へ任せたい」というオーナー様にとって、選択肢の一つになります。
レジスタでは、こうした自主管理物件の空室募集にも対応しています。
相続した店舗・ビルは、売却も含めて検討する
相続した物件が店舗やビルの場合には、管理を引き継ぐだけでなく、売却するという選択肢もあります。
例えば、親が所有していたビルを相続したものの、複数の空室が発生しているケースです。
このような場合には、
- 現在の状態で売却する
- 空室募集を行ってから売却する
- 管理会社へ委託して賃貸経営を継続する
- 自主管理を続けながら、空室募集だけ依頼する
といった方法が考えられます。
空室を改善することで賃料収入が増え、収益不動産としての評価が変わる可能性もあります。
ただし、空室を埋めるために多額の工事費用が必要になる場合や、早期売却を希望する場合には、現況のまま売却した方が適しているケースもあります。
大切なのは、売却価格だけでなく、現在の収益状況や今後の修繕費用などを踏まえて比較することです。
日本橋・人形町エリアの相続不動産・賃貸管理はレジスタへ
レジスタ合同会社では、日本橋・人形町エリアを中心に、店舗・事務所などの事業用賃貸仲介、賃貸管理、不動産売買仲介を行っています。
また、相続不動産については、司法書士や弁護士などの専門家と連携しながら対応しています。
親が自主管理していた賃貸物件を相続した場合、必ずしも最初から管理会社へ委託する必要はありません。
まずは現在の管理状況や収益性を整理し、オーナー様のご希望に合わせた管理方法を検討することが大切です。
レジスタでは、管理委託だけでなく、自主管理を継続するオーナー様からの空室募集のご依頼も承っています。
店舗・事務所などのテナント募集については、弊社が運営する「テナントショップ人形町」を活用し、幅広い募集活動を行っています。
また、相続した店舗やビルについて、賃貸経営を継続するか売却するか迷われている場合には、売買仲介と賃貸仲介の両方の視点からご提案いたします。
相続した賃貸物件の管理方法や空室対策にお悩みのオーナー様は、レジスタ合同会社へお気軽にご相談ください。
売却するか、賃貸経営を継続するか決まっていない段階からでもご相談いただけます。
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