相続した賃貸物件の管理はどうする?自主管理を続けるか管理会社へ任せるか
2026/10/20
親御様からアパートやマンション、店舗、事務所ビルなどの賃貸不動産を相続した場合、まず考えなければならないことの一つが、今後の賃貸管理です。
「親が自分で管理していたけれど、何を引き継げばよいのか分からない」
「入居者との契約書が見つからない」
「賃料の入金確認や修繕対応を自分で続けられるだろうか」
「管理会社へ依頼すると、どのくらい費用がかかるのだろうか」
このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
相続した賃貸物件は、所有者が変わっても入居者との賃貸借関係が原則として引き継がれます。
そのため、相続後も賃料の管理や建物の維持管理、入居者への対応などを継続する必要があります。
一方で、必ずしもすべての管理業務を管理会社へ任せる必要はありません。
自主管理を続ける方法、管理会社へ委託する方法、一部の業務だけを任せる方法など、物件の状況や所有者の希望に応じた選択肢があります。
今回は、相続した賃貸物件の管理方法と、それぞれのメリット・デメリット、相続後に確認しておきたいポイントについて解説します。
1.賃貸物件を相続したら、まず何を確認する?
賃貸物件を相続した場合、管理方法を決める前に、現在の賃貸状況を把握することが重要です。
特に、親御様が長年自主管理していた物件では、契約内容や管理状況が十分に整理されていないケースもあります。
まずは次のような項目を確認しましょう。
① 入居者との賃貸借契約
- 賃貸借契約書の有無
- 契約期間と更新時期
- 賃料・共益費・管理費
- 敷金・保証金の金額
- 普通借家契約か定期借家契約か
- 連帯保証人や保証会社の有無
- 特約事項や原状回復条件
賃貸借契約書が見つからない場合でも、それだけで契約が無効になるわけではありません。
賃料の入金履歴や過去の書類、入居者への確認などを通じて、契約内容を整理する必要があります。
② 賃料の入金状況
毎月の賃料が適切に入金されているかを確認します。
長年の自主管理物件では、賃料の支払期日が守られていなかったり、入金管理が曖昧になっていたりする場合もあります。
過去の入金履歴を確認し、滞納の有無や支払状況を把握することが大切です。
③ 建物や設備の管理状況
建物の維持管理についても確認が必要です。
- 共用部分の清掃
- 消防設備などの法定点検
- 給排水設備の管理
- エレベーターの保守点検
- 雨漏りや設備不具合の有無
- 過去の修繕履歴
必要な点検や修繕が行われていない場合には、早めの対応が必要になることがあります。
④ 管理会社との契約
すでに管理会社へ委託している場合には、管理委託契約の内容を確認します。
管理会社がどこまで対応しているのか、管理手数料はいくらなのか、契約解除や変更の条件はどうなっているのかなどを把握しておきましょう。
なお、相続人が複数いる場合には、遺産分割や管理方針について相続人間での確認が必要になることがあります。
2.自主管理を続けるメリット・デメリット
自主管理とは、賃貸物件の所有者が自ら賃料管理や入居者対応、修繕手配などを行う管理方法です。
親御様が自主管理していた場合、相続後も同じ方法を続けることを検討される方もいらっしゃいます。
自主管理のメリット
① 管理委託手数料を抑えられる
管理会社へ支払う月額管理手数料が発生しないため、賃貸経営の支出を抑えることができます。
② 入居者の状況を直接把握できる
入居者と直接やり取りすることで、建物や設備の状況、入居者からの要望などを把握しやすくなります。
③ 自分の判断で対応を進めやすい
修繕や募集条件の見直しなどについて、所有者自身の判断で進めやすい点もメリットです。
自主管理のデメリット
一方、自主管理には負担やリスクもあります。
- 賃料の入金確認や滞納対応が必要
- 設備故障などの連絡に対応しなければならない
- 修繕業者の手配が必要
- 契約更新や解約時の手続きが必要
- 賃貸借契約や関連法令について一定の知識が求められる
特に、相続人が遠方に住んでいる場合や、本業が忙しい場合には、管理業務が大きな負担になることがあります。
また、親御様が長年の経験や入居者との信頼関係によって管理していた場合、同じ方法をそのまま引き継ぐことが難しいケースもあります。
3.管理会社へ委託するメリット・デメリット
管理会社へ委託する場合、契約で定めた範囲の管理業務を専門会社へ任せることができます。
管理会社へ委託するメリット
① 賃料管理や入居者対応の負担を軽減できる
賃料の入金確認や滞納時の連絡、入居者からの問い合わせ対応などを委託できます。
② 建物の維持管理を相談できる
設備の不具合や修繕、定期点検などについて、管理会社を窓口として対応を進めることができます。
③ 契約更新や退去時の対応を任せられる
契約更新や解約受付、退去立会い、原状回復工事の手配なども、委託内容に応じて対応してもらえます。
④ 相続後の管理体制を整理できる
これまで親御様が個人的に行っていた管理業務を整理し、管理会社を窓口とすることで、賃貸経営の継続性を高めることが期待できます。
管理会社へ委託するデメリット
当然ながら、管理会社への委託には費用が発生します。
また、管理会社によって業務範囲や対応方法、報告内容などが異なります。
管理委託契約を締結する際には、手数料だけでなく、どの業務が含まれているのか、別途費用が発生する業務は何かを確認することが重要です。
4.管理会社への委託費用はどのくらい?
賃貸管理の委託費用は、物件の種類や規模、業務範囲などによって異なります。
一般的な居住用賃貸物件では、月額賃料の3~5%程度を管理手数料の目安としている管理会社もあります。
ただし、これは一つの参考水準であり、実際の手数料は管理内容や物件条件によって変わります。
例えば、月額賃料10万円の物件を管理手数料5%で委託する場合、月額5,000円、年間60,000円となります(消費税別)。
一方、店舗や事務所などの事業用賃貸物件では、設備や建物の利用状況、管理業務の内容によって個別に設定されることがあります。
また、月額管理手数料とは別に、次のような費用が発生する場合があります。
- 新規入居者募集に伴う費用
- 契約更新事務手数料
- 退去立会いや原状回復に関する費用
- 修繕工事費
- 定期清掃や設備点検費用
管理手数料の安さだけでなく、委託できる業務内容と費用のバランスで判断することをおすすめします。
5.すべてを任せず、一部の管理業務だけ委託する方法もある
相続した賃貸物件について、必ずしもすべての管理業務を委託する必要はありません。
例えば、次のような方法も考えられます。
空室募集だけを依頼する
賃料の入金管理や入居者対応は所有者が行い、空室が発生した際の募集や仲介だけを不動産会社へ依頼する方法です。
これまで自主管理を続けてきたオーナー様にとって、比較的取り入れやすい選択肢です。
賃料管理や入居者対応だけを委託する
建物の清掃や日常的な管理は所有者が行い、賃料の入金確認や入居者からの問い合わせ対応などを管理会社へ任せる方法です。
建物管理を中心に委託する
共用部分の清掃や設備点検、修繕手配などを委託する方法です。
物件の規模や設備によっては、専門業者との連携が必要になります。
このように、所有者が対応できる業務と、専門会社へ任せたい業務を分けることで、費用と管理負担のバランスを調整できます。
6.賃貸借契約書が見つからない場合はどうする?
相続した賃貸物件では、契約書や過去の管理資料が見つからないという相談もあります。
特に、長年自主管理されていた物件では、契約書が紛失していたり、更新時の書類が整理されていなかったりすることがあります。
このような場合には、まず過去の資料を確認します。
- 賃料の入金履歴
- 敷金・保証金の記録
- 契約更新に関する書類
- 保証会社との契約資料
- 過去の仲介会社や管理会社の保管資料
これらを確認したうえで、必要に応じて入居者へ契約内容を確認する方法も考えられます。
ただし、契約書が見つからないからといって、貸主が一方的に新しい契約条件を設定できるわけではありません。
既存の賃貸借契約は原則として継続しており、契約条件を変更する場合には、内容に応じて借主との合意が必要になります。
また、普通借家契約を定期借家契約へ変更する場合には、法令上の制限や手続きについて慎重な確認が必要です。
契約内容が不明確な物件ほど、管理を引き継ぐ前に現状を整理することが重要です。
7.相続した賃貸物件は管理会社を変更できる?
すでに管理会社へ委託している物件を相続した場合、現在の管理会社との契約を継続するか、別の管理会社へ変更するかを検討することもできます。
ただし、管理会社を変更する場合には、現在の管理委託契約の解除条件や引継ぎ方法を確認する必要があります。
特に重要なのは、次のような項目です。
- 賃貸借契約書などの引継ぎ
- 入居者情報の引継ぎ
- 賃料の振込先変更
- 敷金・保証金の管理状況
- 保証会社との連携
- 修繕履歴や設備管理資料
- 入居者への管理会社変更通知
管理会社の変更自体によって、入居者との賃貸借契約が当然に終了するわけではありません。
管理会社を変更する際には、入居者に混乱が生じないよう、連絡窓口や賃料の支払方法などを適切に案内することが大切です。
8.相続した賃貸物件は、将来の売却も視野に入れて考える
相続した賃貸物件については、管理を続けるだけでなく、将来的な売却も選択肢になります。
例えば、
「しばらく賃貸経営を続けてから売却したい」
「空室を改善して収益性を高めたい」
「修繕費用が大きくなる前に売却を検討したい」
「相続人が複数いるため、将来的に資産を整理したい」
といったケースです。
賃貸物件の売却では、賃料収入や空室状況、建物の管理状態、修繕履歴などが購入希望者の判断材料になります。
そのため、将来的な売却を考えている場合でも、適切な賃貸管理を続けることには意味があります。
ただし、売却時期や募集条件、修繕への投資については、物件の収益性や市場環境を踏まえた判断が必要です。
相続した賃貸物件は、目先の管理費用だけでなく、将来の資産価値も考慮して管理方法を検討することをおすすめします。
9.相続した賃貸物件の管理・募集はレジスタへご相談ください
レジスタ合同会社では、日本橋・人形町を中心に、アパート・マンション・店舗・事務所などの賃貸管理や賃貸募集のご相談に対応しています。
弊社の特徴は、賃貸管理だけでなく、不動産売買仲介や建築・内装工事に関するご相談にも対応していることです。
例えば、相続した賃貸物件について、
- 自主管理を続けるか相談したい
- 賃貸管理を新たに委託したい
- 現在の管理会社を変更したい
- 契約書が見つからないので整理したい
- 空室の募集だけ依頼したい
- 原状回復や修繕について相談したい
- 将来的な売却も含めて検討したい
といったご相談を承っています。
また、相続に伴う登記や法律上の問題などについては、必要に応じて連携する司法書士・弁護士などの専門家と協力しながら対応いたします。
店舗・事務所の募集にも対応
レジスタでは、店舗・事務所の物件紹介サイト「テナントショップ人形町」を運営しています。
相続した店舗や事務所に空室がある場合には、テナントショップ人形町をはじめ、複数の不動産ポータルサイトなどを活用した募集活動をご提案しています。
管理委託だけでなく、募集のみのご依頼にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
まとめ|相続した賃貸物件は無理のない管理方法を選ぶことが大切
相続した賃貸物件の管理方法には、自主管理を続ける方法、管理会社へ委託する方法、一部の業務だけを任せる方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、物件の規模や入居状況、所有者の生活環境などによって適した方法は異なります。
また、親御様が長年自主管理していた物件では、契約内容や管理状況が十分に整理されていない場合もあります。
まずは現在の状況を把握し、今後の賃貸経営をどのように続けるかを検討することが重要です。
レジスタ合同会社では、相続した賃貸物件の管理・募集・修繕から将来的な売却まで、幅広いご相談に対応しています。
日本橋・人形町周辺で賃貸物件を相続された方、管理方法についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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